“積読”供養

溜まってしまった本を整理するため、“積読”に目を通すことにした。その記録。

『歴史の風 書物の帆』

今週のお題「おとなになったら」

 今回は、子供の日にちなんでのお題らしい。

 思い描いていた「大人」になれてる? となっているが、答えは否だ。

 きちんと整理整頓ができるオトナでありたかったが、今に至るまで、うまくいっていない。だから、“積読”が溢れてしまうのだ。

 とはいえ、上には上がある。古書の収集家として知られている人の場合、集めるのも大事だが整理も大変そうだ。

 

『歴史の風 書物の帆』 鹿島茂 著 小学館文庫

歴史の風 書物の帆(小学館文庫)

 古書のコレクターで有名な鹿島氏による書評を集めた本である。

 鹿島氏は仏文学者であるので、当然ではあるが、フランス関連の本が多い。

 その中でも、パリを舞台にしたもの、パリに関する本が多いようだ。書評ということは、仕事として依頼されて読んだ本である可能性も高いので、ますますフランス関係の本が集まるのではあろうが、パリは話題に事欠かない都市ということなのだろう。

 以前に読んだ鹿島氏の著作の内容に重なる本のタイトルも結構あり、こういう本を読んで、興味深いエッセイを書いているのだな、と、なんとなく本棚の一部を覗いてしまったような感覚もする。

 特に面白かったのは、文庫版の特別企画として入れられたインタビューである。

 インタビュアーはご自宅に伺ったのであろう。そして実際に本棚を見たのであろう。羨ましい限りである。

 ちなみに、鹿島氏も、その膨大な本の整理には手を焼いているようだ。