“積読”供養

溜まってしまった本を整理するため、“積読”に目を通すことにした。その記録。

『スペイン旅行記』

『カレル・チャペック旅行記コレクション スペイン旅行記』 カレル・チャペック 著 飯島周 編訳 ちくま文庫 文庫版カレル・チャペックの旅行記シリーズの第3弾、舞台はスペインだ。 1929年10月のスペイン旅行ということで、そのスタートはドイツ。ドイツから…

『チェコスロヴァキアめぐり』

『カレル・チャペック旅行記コレクション チェコスロヴァキアめぐり』 カレル・チャペック 著 飯島周 編訳 ちくま文庫 以前に取り上げた『イギリスだより』と同じシリーズとして文庫版が出されているが、あちらは1回のイギリス旅行で廻った場所について母国…

『ウイルスたちの秘められた生活』

『ウイルスたちの秘められた生活 決定版ウイルス百科』 ウエイン・ビドル 著 春日倫子 訳 角川文庫 この本は1996年に刊行された本を加筆・修正して2009年に文庫化したもの。 なので、内容は古い。 さらに、タイトルでは“ウイルス”が強調されているが、結核菌…

『ロンドンはやめられない』

『ロンドンはやめられない』 高月園子 著 新潮文庫 著者の本業は英米文学翻訳家。 翻訳業以外にも音楽関係の記事やエッセイを執筆しているとのこと。 もともとは夫が仕事でロンドン駐在員となったことがきっかけでロンドンに居住し、20年以上になっていると…

『語りかける花』

『語りかける花』 志村ふくみ 著 ちくま文庫 国語の教科書に載っていた文というのは、なんとなく覚えているものである。 中学の国語の教科書に、桜の色を染める話に絡めたエッセイがあった。桜の色というと花びらを使って染めるように思いがちだが、実際は桜…

『新編 百花譜百選』

『新編 百花譜百選』 木下杢太郎 画/前川誠郎 編 岩波文庫 東京帝国大学出の皮膚科医で、詩人、劇作家、翻訳家、美術史・切支丹史研究家という多岐にわたる業績を持つ木下杢太郎氏。 その木下氏が、最晩年の昭和18年3月10日から昭和20年7月27日までの間、描…

『歴史の風 書物の帆』

今週のお題「おとなになったら」 今回は、子供の日にちなんでのお題らしい。 思い描いていた「大人」になれてる? となっているが、答えは否だ。 きちんと整理整頓ができるオトナでありたかったが、今に至るまで、うまくいっていない。だから、“積読”が溢れ…

『お父さんは時代小説が大好き』

今週のお題「何して遊ぶ?」 世の中的には既にGWになっているようだが、仕事が入ってしまったので、自分にとっては明日からがGWである。 今回のお題は、GW、何する?、ということなのだが、遊ぶというより、久しぶりに実家に帰るということがメインで、その…

『将軍たちの金庫番』

『将軍たちの金庫番』 佐藤雅美 著 新潮文庫 この本は平成元年、つまり1989年に刊行された『江戸の税と通貨』を改題して2008年に文庫化されたもの。 著者は、歴史経済小説を続けて執筆していた時期があり、その関連資料を10年近く漁っていたという。 江戸時…

最近見つけた良動画

お題「楽しみにしている動画」 自分で作ったお題なのだが、このお題はあまり面白くなかったようだ。 5月26日までの期限とはしているが、今のところ、誰も書いていない。 仕方ないので、2月以降に見つけた良かった動画について、ほぼ個人的な覚え書きとして残…

『フィンランドは今日も平常運転』

今週のお題「盛り」 今週のお題は、話は盛って書いてもいいですよ、ということで、やや大袈裟な表現をするような「盛り」について書くべし、ということらしい。 意図的に大袈裟に書くのはあまり褒められたことではないと思うが、往々にして、典型的な存在と…

『ザ・万歩計』

『ザ・万歩計』 万城目学 著 文春文庫 この本は、門井慶喜氏との共著『ぼくらの近代建築デラックス!』が面白かったので、買ったのだと思う。変わったタイトルの小説を書いていることは知っているのだが、読んだことはない。 エッセイ集である。 ちなみに、…

『美しい椅子4』

今週のお題「変わった」 今週のお題は、春は変化の季節、ということで、変化や変わり種など「変わった」ことについて書くということである。 “積読”から拾い出し、順番に読み続けている『美しい椅子』シリーズであるが、本作は第4弾。金属製の椅子を集めてい…

『イギリスだより』

『カレル・チャペック旅行記コレクション イギリスだより』 カレル・チャペック 著 飯島周 編訳 ちくま文庫 カレル・チャペックというと、『ロボット』。 それぐらいしか思い浮かばなかったが、この本を買って“積読”にしておいたのは、やはりイギリス本だか…

『絶滅寸前季語辞典』

『絶滅寸前季語辞典』 夏井いつき 著 ちくま文庫 この本が刊行された2010年当時は、夏井先生もそこまで有名ではなかった気がする。 当時から、結構、破天荒なところはあったようで、カバーの著者説明には、俳句集団「いつき組」組長。となっている。 組長………

『美しい椅子3』

今週のお題「メモ」 今週のお題は、ふむふむ、メモメモ…、ということらしい。 “積読”から拾い出し、順番に読み続けている『美しい椅子』シリーズであるが、前2冊の時にも書いたが、このシリーズ、モダンデザインの歴史において重要な多数の椅子の写真を集め…

『フラ・アンジェリコ』

『フラ・アンジェリコ ー天使が描いた「光の絵画」』 ヌヴィル・ローレ 著 森田義之 監修 創元社 「知の再発見」双書シリーズの第157冊目。 フラ・アンジェリコというのは、“天使のような修道士”という意味で、要するに、あだ名なのだ。ちなみに本名は、グイ…

『美しい椅子2』

『美しい椅子2 にっぽんオリジナルのデザイン力』 島崎信+生活デザインミュージアム 著 枻文庫 デンマークのインダストリアルデザイナーの手掛けた椅子を取り上げた『美しい椅子 北欧4人の名匠のデザイン』に続き、日本の7人のデザイナーの椅子を取り上げた…

『美しい椅子』

『美しい椅子 北欧4人の名匠のデザイン』 島崎信+生活デザインミュージアム 著 枻文庫 副題に、“北欧の”と入っているが、4人ともデンマークの椅子デザイナーである。 デンマークで思い浮かぶのは、アンデルセンであり、ロイヤルコペンハーゲンであり、レゴ…

『【図説】バラの博物百科』

『【図説】バラの博物百科』 ブレント・エリオット 著 原書房 著者のブレント・エリオットは、英国王立園芸協会所属の歴史家。 英国王立園芸協会というのは、1804年にイギリス・ロンドンにおいて設立されたロンドン園芸協会を前身とする学会。フラワー・ショ…

『エッシャーに魅せられた男たち』

『エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた』 野地秩嘉 著 知恵の森文庫 この本は、1996年に刊行された『エッシャーが僕らの夢だった』を、2006年に改題、加筆、修正し、文庫化したもの。 2006年に文庫化したのは、この年の11月11日から翌2007…

『日本の美を求めて』

今週のお題「お花見」 今ちょうど桜がほぼ満開の状態で、今週末は、自宅近くを歩くだけでお花見になると思う。今週のお題は「今年は、お花見しましたか?」となっているが、飲食を伴うお花見は難しい分、純粋に桜の花を眺めることができそうだ。 と思ったら…

『タルト・タタンの夢』

お題「好きなシリーズもの」 今週のお題、「全力投打したいっ」らしいのだが、家に野球に関する本は無かった。世間ではWBCが話題になっていたようだが、結局1回も見ずに終わったし、興味の無いことは書きようがない。 で、お題スロットを回してみた。 好きな…

『深き心の底より』

『深き心の底より』 小川洋子 著 PHP文庫 実は、なぜこの本を買っていたのか、まったく思い出せない。 著者の名前はさすがに知っているが、他に一冊も読んだことがないのだ。有名な『妊娠カレンダー』も『博士の愛した数式』も『ブラフマンの埋葬』もタイト…

『舌の記憶』

今週のお題「あまい」 甘いもの食べて、もりもりブログ書こう、だそうだ。 “積読”で、お菓子の本は前に書いてしまったのだよなあ。タイミングが悪い。 ということで、甘いものばかりではないが、食についてのエッセイを選んでみた。 『舌の記憶』 筒井ともみ…

『図説 イギリスの手づくりの生活誌』

特別お題「今だから話せること」 “積読”の整理を始めて、今更ながら、「イギリス関係本」の多さを実感している。 いろいろ都合が合わず、残念ながらイギリスに行ったことはないのだが、イギリス関連の本を読むのは好きで、一時は意識的に本を集めていた。 そ…

『ゼムクリップから技術の世界が見える』

『ゼムクリップから技術の世界が見える アイデアが形になるまで』 ヘンリー・ペトロスキー 著 平凡社ライブラリー 著者のヘンリー・ペトロスキー氏は1942年生まれ、81歳のアメリカ合衆国の土木工学の研究者で、失敗学の専門家でもある。 鉛筆やクリップなど…

『グリムありますか』

『グリムありますか [ドイツ]メルヘン街道とその周辺』 ひらいたかこ・磯田和一 著 東京創元社 『アンデルセンください デンマークとオランダ・ベルギー』 ひらいたかこ・磯田和一 著 東京創元社 『マザーグースころんだ ロンドンとイギリスの田舎町』 ひ…

『イタリアの旅から』

『イタリアの旅から ー科学者による美術紀行ー』 多田富雄 著 新潮文庫 多田先生は、免疫学・分子生物学の研究者であると同時に文筆家であり、能に造詣が深いことで知られていた。 この本は、1992年に出版され、2012年に文庫化されたものである。『感染・炎…

楽しみにしている動画

お題「楽しみにしている動画」 いつもは、“積読”整理のための記録を書いているのだが、今週のお題が、自分では書けそうもない内容だったので(個人用、職場用ともに、キーボードをわざわざ交換して使ったことがない)、自分でお題を作ってしまう暴挙に出てみ…