“積読”供養

溜まってしまった本を整理するため、“積読”に目を通すことにした。その記録。

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『イタリアの旅から』

『イタリアの旅から ー科学者による美術紀行ー』 多田富雄 著 新潮文庫 多田先生は、免疫学・分子生物学の研究者であると同時に文筆家であり、能に造詣が深いことで知られていた。 この本は、1992年に出版され、2012年に文庫化されたものである。『感染・炎…

楽しみにしている動画

お題「楽しみにしている動画」 いつもは、“積読”整理のための記録を書いているのだが、今週のお題が、自分では書けそうもない内容だったので(個人用、職場用ともに、キーボードをわざわざ交換して使ったことがない)、自分でお題を作ってしまう暴挙に出てみ…

『ムーミンのふたつの顔』

『ムーミンのふたつの顔』 冨原眞弓 著 ちくま文庫 本作は、筑摩書房の『ムーミン・コミックス』の翻訳を担当した冨原氏によるトーベ・ヤンソンの評伝的作品。 実は、コミック版のムーミンは、まだ読んだことがない。 海外では、ムーミンというとコミックス…

『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』

『ヴァイオリン職人と天才演奏家の秘密』 ポール・アダム 著 創元推理文庫 『ヴァイオリン職人の探求と推理』に続くシリーズ2作目。 前作から1年以上たったある日、ヴァイオリン職人兼修復師のジャンニことジョヴァンニ・カスティリョーネの家と工房のある敷…

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』

『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』 川上和人 著 新潮文庫 先週(2023年2月15日)、恐竜の喉の化石が特定されたというニュースが報道された。アメリカ自然史博物館が2005年にモンゴルのゴビ砂漠で発見した約8000万年前(白亜紀)の「ピナコサウルス」という草…

『世界の装飾タイル』

『世界の装飾タイル 古代オリエントから近代まで、建築装飾を彩る文様の世界』 世界のタイル博物館 編 青幻舎 世界のタイル博物館というのは、愛知県常滑市にあるINAXライブミュージアムの敷地内にある施設らしい。Wikipediaによると、1991年(平成3年)にタ…

『深海生物学への招待』

今週のお題は、“海を超えて旅に出る✈”ということで海外旅行ネタなのだが、海を超えるという表現であれば深海ネタもありなのではないだろうか? 『深海生物学への招待』 長沼毅 著 幻冬舎文庫 著者は、1961年、人類初の宇宙飛行の日(たぶん『地球は青かった…

『ミラノの太陽、シチリアの月』

今週のお題「行きたい国・行った国」 今週のお題が発表された。遅ればせながら、日本でも新型コロナウイルスとの共存というか向き合い方が変わってきて、そうなると、海外旅行も現実的な話として考えられるようになってくるのだろう。 極端な円安がツライと…

『京都、オトナの修学旅行』

『京都、オトナの修学旅行』 赤瀬川原平 山下裕二 著 ちくま文庫 自分は、なぜか中学、高校どちらの修学旅行も関西だった。 中学の時は普通に奈良・京都。 高校の時はグループ行動で門限時間までに宿泊場所へ辿り着ければよいというアバウトなルールではあっ…

『フェルメール ー謎めいた生涯と全作品』

『フェルメール ー謎めいた生涯と全作品』 小林頼子 著 角川文庫 2023年2月10日から、オランダ・アムステルダム国立美術館で大規模なフェルメール展が開催されている。現存する作品は35点あまり(諸説あり。少ない説だと32点、多い説では37点)と考えられて…

『須賀敦子の旅路』

『須賀敦子の旅路 ミラノ・ヴェネツィア・ローマ、そして東京』 大竹昭子 著 文春文庫 たまたま手に取った本が読みやすかった。スッキリとした文でありながら印象的で惹き込まれてしまう。須賀敦子はそんな文章を書く作家だ。 しかし、自分が須賀敦子を知っ…

『万国お菓子物語』

今週のお題「手づくり」 なぜ「手づくり」? と思ったら、どうもバレンタインデーが近いからという理由のようだ。板チョコを溶かしてハート型に流し入れ、冷やして固めたものを、世に「手づくり」チョコというらしい。 こんなことを書くと怒られそうだが、板…

『愉快な英国旅行術』

『愉快な英国旅行術』 出口保夫 著 ランダムハウス講談社文庫 この本は1998年に刊行された本と1999年に刊行された本に収録された文を編集し直し文庫化したもののようで、20年以上前に書かれた文だったりする。 イギリス大好きの代表格である出口先生。 イギ…

『パリの秘密』

『パリの秘密』 鹿島茂 著 中公文庫 フランスの首都パリ。いまだに使われている言葉なのかよく分からないが、花の都パリ。そんなパリの有名な観光スポットから知る人ぞ知る的な穴場までを、フランス文学研究者の鹿島氏が綴ったエッセイ。 エッフェル塔が万博…

『あのころのデパート』

『あのころのデパート』 長野まゆみ 著 新潮文庫 先月1月31日で渋谷の東急百貨店本店が閉店した。55年の歴史だそうだ。跡地には36階建ての高層ビルが建つ予定らしいが、百貨店を再開するかどうかは未定という発表がされた。 2022年末には、西武百貨店池袋本…

『コーネルの箱』

『コーネルの箱』 チャールズ・シミック 著 柴田元幸 訳 文藝春秋社 ジョセフ・コーネルについて知ったのは、いつだったろうか? 他のアーティストの作品目的で見に行った美術展に、コーネルのコラージュボックスのいくつかが出品されていて、むしろ、コーネ…

『ターナー 色と光の錬金術』

『ターナー 色と光の錬金術』 オリヴィエ・メスレー 著 藤田治彦 監修 創元社 「知の再発見」双書シリーズの第128冊目。 この「知の再発見」双書、どうも日本語版は2017年の第166冊目を最後に新刊は出ていないようだ。元ネタは、フランス・ガリマール社の「…

『心理療法個人授業』

今週のお題「かける」 本棚に入りきらないほどの“積読”をどうにかしなければならない。 というわけで、今年は“積読を”優先的に読み整理しようと決意した。ついでに記録も付けてみようということで、1月の途中から、はてなブログを始めてみたのだが、毎週お題…

『ヴァイオリン職人の探求と推理』

『ヴァイオリン職人の探求と推理』 ポール・アダム 著 創元推理文庫 技術の進歩とともに新しいもの、より高度な機能を持ったものが作られ続けている。となれば、古いものは老朽化という避けようもない劣化を経て、価値が下がってしまうのが通常のように思う。…

『まあまあの日々』

『まあまあの日々』 群ようこ 著 角川文庫 『本の雑誌』の目黒考二氏が1月19日に肺癌で亡くなった。目黒氏はジャンル別にペンネームを使い分けていたのだが、その1つが「群一郎」であった。で、本の雑誌社で事務職をしていたのが群ようこ。ペンネームの「群…

『ほんとはかわいくないフィンランド』

『ほんとはかわいくないフィンランド』 芹澤桂 著 幻冬舎文庫 『やっぱりかわいくないフィンランド』 芹澤桂 著 幻冬舎文庫 フィンランドが北欧の国であることは知っていた。 北欧デザインで名前が出てくるイッタラ、アラビア。家具デザインや建築関連でアー…