“積読”供養

溜まってしまった本を整理するため、“積読”に目を通すことにした。その記録。

美術

『スペイン旅行記』

『カレル・チャペック旅行記コレクション スペイン旅行記』 カレル・チャペック 著 飯島周 編訳 ちくま文庫 文庫版カレル・チャペックの旅行記シリーズの第3弾、舞台はスペインだ。 1929年10月のスペイン旅行ということで、そのスタートはドイツ。ドイツから…

『語りかける花』

『語りかける花』 志村ふくみ 著 ちくま文庫 国語の教科書に載っていた文というのは、なんとなく覚えているものである。 中学の国語の教科書に、桜の色を染める話に絡めたエッセイがあった。桜の色というと花びらを使って染めるように思いがちだが、実際は桜…

『新編 百花譜百選』

『新編 百花譜百選』 木下杢太郎 画/前川誠郎 編 岩波文庫 東京帝国大学出の皮膚科医で、詩人、劇作家、翻訳家、美術史・切支丹史研究家という多岐にわたる業績を持つ木下杢太郎氏。 その木下氏が、最晩年の昭和18年3月10日から昭和20年7月27日までの間、描…

『美しい椅子4』

今週のお題「変わった」 今週のお題は、春は変化の季節、ということで、変化や変わり種など「変わった」ことについて書くということである。 “積読”から拾い出し、順番に読み続けている『美しい椅子』シリーズであるが、本作は第4弾。金属製の椅子を集めてい…

『美しい椅子3』

今週のお題「メモ」 今週のお題は、ふむふむ、メモメモ…、ということらしい。 “積読”から拾い出し、順番に読み続けている『美しい椅子』シリーズであるが、前2冊の時にも書いたが、このシリーズ、モダンデザインの歴史において重要な多数の椅子の写真を集め…

『フラ・アンジェリコ』

『フラ・アンジェリコ ー天使が描いた「光の絵画」』 ヌヴィル・ローレ 著 森田義之 監修 創元社 「知の再発見」双書シリーズの第157冊目。 フラ・アンジェリコというのは、“天使のような修道士”という意味で、要するに、あだ名なのだ。ちなみに本名は、グイ…

『美しい椅子2』

『美しい椅子2 にっぽんオリジナルのデザイン力』 島崎信+生活デザインミュージアム 著 枻文庫 デンマークのインダストリアルデザイナーの手掛けた椅子を取り上げた『美しい椅子 北欧4人の名匠のデザイン』に続き、日本の7人のデザイナーの椅子を取り上げた…

『美しい椅子』

『美しい椅子 北欧4人の名匠のデザイン』 島崎信+生活デザインミュージアム 著 枻文庫 副題に、“北欧の”と入っているが、4人ともデンマークの椅子デザイナーである。 デンマークで思い浮かぶのは、アンデルセンであり、ロイヤルコペンハーゲンであり、レゴ…

『【図説】バラの博物百科』

『【図説】バラの博物百科』 ブレント・エリオット 著 原書房 著者のブレント・エリオットは、英国王立園芸協会所属の歴史家。 英国王立園芸協会というのは、1804年にイギリス・ロンドンにおいて設立されたロンドン園芸協会を前身とする学会。フラワー・ショ…

『エッシャーに魅せられた男たち』

『エッシャーに魅せられた男たち 一枚の絵が人生を変えた』 野地秩嘉 著 知恵の森文庫 この本は、1996年に刊行された『エッシャーが僕らの夢だった』を、2006年に改題、加筆、修正し、文庫化したもの。 2006年に文庫化したのは、この年の11月11日から翌2007…

『日本の美を求めて』

今週のお題「お花見」 今ちょうど桜がほぼ満開の状態で、今週末は、自宅近くを歩くだけでお花見になると思う。今週のお題は「今年は、お花見しましたか?」となっているが、飲食を伴うお花見は難しい分、純粋に桜の花を眺めることができそうだ。 と思ったら…

『イタリアの旅から』

『イタリアの旅から ー科学者による美術紀行ー』 多田富雄 著 新潮文庫 多田先生は、免疫学・分子生物学の研究者であると同時に文筆家であり、能に造詣が深いことで知られていた。 この本は、1992年に出版され、2012年に文庫化されたものである。『感染・炎…

『世界の装飾タイル』

『世界の装飾タイル 古代オリエントから近代まで、建築装飾を彩る文様の世界』 世界のタイル博物館 編 青幻舎 世界のタイル博物館というのは、愛知県常滑市にあるINAXライブミュージアムの敷地内にある施設らしい。Wikipediaによると、1991年(平成3年)にタ…

『京都、オトナの修学旅行』

『京都、オトナの修学旅行』 赤瀬川原平 山下裕二 著 ちくま文庫 自分は、なぜか中学、高校どちらの修学旅行も関西だった。 中学の時は普通に奈良・京都。 高校の時はグループ行動で門限時間までに宿泊場所へ辿り着ければよいというアバウトなルールではあっ…

『フェルメール ー謎めいた生涯と全作品』

『フェルメール ー謎めいた生涯と全作品』 小林頼子 著 角川文庫 2023年2月10日から、オランダ・アムステルダム国立美術館で大規模なフェルメール展が開催されている。現存する作品は35点あまり(諸説あり。少ない説だと32点、多い説では37点)と考えられて…

『コーネルの箱』

『コーネルの箱』 チャールズ・シミック 著 柴田元幸 訳 文藝春秋社 ジョセフ・コーネルについて知ったのは、いつだったろうか? 他のアーティストの作品目的で見に行った美術展に、コーネルのコラージュボックスのいくつかが出品されていて、むしろ、コーネ…

『ターナー 色と光の錬金術』

『ターナー 色と光の錬金術』 オリヴィエ・メスレー 著 藤田治彦 監修 創元社 「知の再発見」双書シリーズの第128冊目。 この「知の再発見」双書、どうも日本語版は2017年の第166冊目を最後に新刊は出ていないようだ。元ネタは、フランス・ガリマール社の「…

『「レ・ミゼラブル」百六景』

『「レ・ミゼラブル」百六景』 鹿島茂 著 文春文庫 タイトルは知っていて、部分的にはあらすじも知っているが、きちんと読んだことのない文学作品は多々ある。『レ・ミゼラブル』も、そういった作品の1つだ。 『ああ無常』の邦題で、かなり端折られた“子供向…